世界大百科事典(旧版)内のかんばたの言及
【綺】より
…したがって綾のなかでも最も素朴な平地のものを特に〈綺〉とする考え方もある。一方,日本では《和名抄》に〈一におりもの,一にかむはたと訓み,錦に似た薄い織物〉とあることから,上代裂のなかでも比較的簡単な錦類,例えば法隆寺献納物宝物のうちの〈平地浮文錦〉や正倉院にある織幅の狭い〈段文錦〉(緯縞裂)など織紐状の裂を〈かんばた〉とみなしている。特に綺を紐状の織物と解釈するのは《東大寺献物帳》において巻子の緒に〈綺帯〉と記されたもののあることや,《日本書紀》持統4年4月の条の朝服に関する記載のうちにも同じく〈綺帯〉の名称があることによっている。…
【真田織】より
…扁平で厚地の細幅織物。木綿,絹,麻,ナイロン製がある。古代の織物〈綺(かんはた)〉を継承したものといわれ,帯として使われてきた。語源は天正(1573‐92)のころ,真田昌幸がこの布で刀のつかを巻いたからという説があるが,定かでない。また,さなはた(狭織)の略ともいわれる。経糸を密にした平経畝(たてうね)組織または綾織で,縞が入っている。幅は1.5~10cmくらいまで各種あり,細いものは真田紐と呼ばれ,おもに巻物や木箱の紐などに使われる。…
※「かんばた」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」