世界大百科事典(旧版)内のクチ語の言及
【トカラ語】より
…A語は仏典にのみ用いられ,B語より整理された構造をもつことから,これを仏典用文語であったとし,一方,B語はいくつかの小方言を内在し,仏典のほかに手紙や医学書などの世俗文献を書き残しているので,口語とする説が有力である。トカラ語という名称は,この言語(A語)がウイグル族によってトクリ(トフリ)Toxiri語と呼ばれていたとするドイツの学者F.W.K.ミュラーの見解にもとづくものだが,これは必ずしも適当ではなく,トカラA語をその文献の出土地域の中心であるカラシャールの旧名をとってアグニ語とし,B語をクチャ語あるいはクチ語と呼ぶことが行われる。トカラ語はインド・ヨーロッパ語のいくつかの古い特徴を保存しているが,他のどの語派と近親関係にあるかはまだ不明である。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」