世界大百科事典(旧版)内のクラウディウス法の言及
【ローマ】より
…ローマがこのような条件を受け入れたのは,当時海外との大規模な取引に熱心ではなかったためであるとされているが,このような通商に関する条約の存在自体ローマの海外交易活動を前提しなければ成立しえず,また前4世紀にティレニア海を中心にイタリアの海賊が出没したこととあわせて,共和政期のローマが海外との取引活動に消極的であったと断定することはできない。前218年のクラウディウス法では,元老院議員身分の者が大型船舶を所有することが禁じられており,貴族の海外交易は禁止されていた。国政に携わる上層の貴族が商業に関与することはふさわしくないと思われていたが,このような禁止をしなければならなかったところに当時の現実がよく表れているともいえよう。…
※「クラウディウス法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」