世界大百科事典(旧版)内のクローズド・コンファレンスの言及
【海運同盟】より
…このように,自主規制団体としての海運同盟の行動が著しく制限され,カルテルの効果を十分に発揮できない同盟を,一般にオープン・コンファレンス(開放的同盟)と呼んでいる。これに対して,このようなアメリカの同盟規制の及ばないその他航路の同盟,いいかえれば上記の荷主拘束手段や盟外船対抗手段を航路関係国から制限されることなく行使することができ,また加盟船社のマーケット・シェアの維持と拡大の見地から新規の同盟加入に厳しい制限を設けることができ,同盟結成の目的を効果的に追求できる同盟を,クローズド・コンファレンス(閉鎖的同盟)と呼んでいる。 しかしその後アメリカは1984年の〈海運法Shipping Act〉の実施により,それまで同盟の盟外船対策として唯一認めていた二重運賃制(契約運賃制)までも禁止し,これに代わって〈インデペンデント・アクションIndependent Action〉(同盟船社が10日前の事前通告をすることによって同盟協定と異なる運賃やサービスを独自に設定できる権利)や,〈サービス・コントラクトService Contract〉(一定期間に一定量以上の貨物を提供することを約束する荷主に特別の運賃および輸送サービス――スペースの確保,輸送に要する日数,寄港地等――を適用する)といった新たな競争促進施策を導入したことにより,ただでさえオープン・コンファレンスとして不安定要素を内包していたアメリカ関係航路の運賃安定機能がいっそう弱められ,過当競争状態を恒常化している。…
※「クローズド・コンファレンス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」