グレンジャー法(読み)ぐれんじゃーほう

世界大百科事典(旧版)内のグレンジャー法の言及

【運賃】より

…さらに現実になんらかの費用計算あるいは公正報酬計算に基づき一見社会正義に即した運賃が算出されたとしても,その計算運賃が個々の輸送対象の運賃負担力を超える場合には,それは経済的に無効である。あるいはまた,1870年代のアメリカのグレンジャー法Granger lawsのように鉄道の経営を崩壊させるような低率運賃を強制しても,これも経済的に無効である。以上のような事情により現実の運賃決定において効力をもってきたのは,支配的に〈不当な〉人的・物的・地域的差別行為の禁止という制約を付された負担力原理の適用であり,費用原理はむしろ現実の負担力原理の実践に対する抑制効果をもってきたというべきであろう。…

【グレンジャー運動】より

…また,当時は高い鉄道運賃,鉄道会社によるさまざまの不正・差別行為,そして穀物倉庫の高料金が農民の強い不満の対象となっていたので,グレンジ会員は組織の活動とは別に集会を開き,鉄道・倉庫の独占的横暴を非難するとともに,州議会に代表を選出して,それら企業を規制するための立法活動を推進した。その結果71年のイリノイ州を皮切りに,ミネソタ,アイオワ,ウィスコンシン等中西部各州で,鉄道と倉庫の料金に上限を規定し,不公正な差別待遇を禁止する法律(いわゆるグレンジャー法)が次々と制定された。自由放任主義経済が至上とされた時代に,公権力が民間企業活動を規制する州法が成立したことは画期的な意味をもっていたが,当然企業側の反発するところとなり,76年から77年にかけてこれらグレンジャー法は連邦最高裁判所で合憲性が争われることになった。…

※「グレンジャー法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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