世界大百科事典(旧版)内のケンブリッジ理論の言及
【資本論争】より
… ケンブリッジ資本論争は,たとえばさまざまな財の蓄積量が一つの集計量によって表されるための条件を求める資本集計の理論,資本蓄積が技術進歩の前提条件であるとする技術進歩のビンテージ理論,資本概念を用いない成長と分配の理論など,経済理論の内容を豊かにする展開を触発したとはいえ,経済理論を根本から変革するような結果をもたらすには至らなかった。イングランド派の積極理論も,たとえば利潤率は資本蓄積率と資本家の貯蓄率の比によって決定されるといういわゆる利潤率決定のケンブリッジ理論がそうであるように,新古典派成長理論の基本性格を脱却するものではなかったからである。しかし少なくとも,経済変動の分析方法について経済学者に深い反省を促した点は評価されなくてはならない。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」