世界大百科事典(旧版)内のケンブリッジ資本論争の言及
【限界生産力説】より
…ところが,資本の価格はその資本が稼得する利潤によって決まるので,金額表示の資本の限界生産力で利潤を説明することは,循環論法になることになる。事実,金額表示の資本の限界生産力が利潤率に一致しないことは古くから知られており,また最近のいわゆるケンブリッジ資本論争(資本論争)において強調された。したがって,資本の限界生産力というときは,資本の異質性を無視して同質性を仮定した大ざっぱな議論であると考えるか,資本を種類ごとに細かく分割して,それぞれ物的単位で表示したものの限界生産力を問題にしているのであると考えなければならない。…
【資本論】より
…K.マルクスの主著で,社会主義に〈科学的〉な基礎を与えたとされる著作。原題を直訳すれば《資本――経済学批判》である。資本制的な生産,流通,分配のしかたを研究して,資本主義社会の経済的な,編成および運動法則を明らかにし,そこから社会主義革命の必然性(=社会主義体制の優越性)を証明しようとした。マルクス経済学およびマルクス・レーニン主義の基本文献。マルクス経済学
【成立】
マルクスは,1844年ころヘーゲル法哲学の批判的再検討を通じて,近代ブルジョア社会の解剖学は経済学のうちに求めなければならない,とする予想に達した。…
【ロビンソン】より
…その刺激もあってケインズ理論の長期動態化を試み,ついに大著《資本蓄積論》(1956)を完結させた。その後資本価値をめぐって問題を提起し,P.A.サミュエルソンらとの間にいわゆる〈ケンブリッジ資本論争〉を展開,新古典派理論の基盤に鋭い批判を浴びせた。65年夫(1950年以降教授)の後をついでケンブリッジ大学教授(1965‐71)となり,73年以降名誉教授。…
※「ケンブリッジ資本論争」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」