コブデン=シュバリエ条約(読み)こぶでんしゅばりえじょうやく

世界大百科事典(旧版)内のコブデン=シュバリエ条約の言及

【イギリス】より

…他の国々に先駆けて新工業技術をマスターしたという技術的優位のおかげで,この時期のイギリスは繊維製品をはじめとする工業製品の世界的・独占的供給者――いわゆる〈世界の工場〉――となり,他の農業国はイギリスに食糧と原料を供給することになった。重商主義の支柱として長い間貿易を制限してきた穀物法航海法を撤廃し,1860年にはフランスとの間にコブデン=シュバリエ条約を締結して,イギリスが貿易自由化のリーダーとなり,世界貿易の拡大を推進しえたのも,その背景にこうした国際分業関係,相互依存関係が形成されており,それがイギリス経済の成長を規定する基本的要因となっていたからである。つまりこの時代のイギリスは〈世界の製鉄所,世界の運送業者,世界の造船業者,世界の銀行家,世界の工場,世界の手形交換所,世界の貨物集散地〉であり,世界の貿易はイギリスを基軸として動いていたのである。…

【関税】より

…イギリスでは,1786年に英仏通商条約(イーデン条約)が結ばれ,1846年には保護貿易主義の核心であった穀物法が廃止されるとともに自由貿易時代へと突入する。すでに1834年にはドイツ関税同盟が成立しており,60年の英仏自由通商条約(コブデン=シュバリエ条約)以降,つぎつぎと通商条約,関税協定が結ばれ,ヨーロッパ各国へ貿易自由化の波が広がっていった。英仏自由通商条約は,最恵国条項(最恵国待遇)が採り入れられ,差別関税が防止された点でとくに重要である。…

【コブデン】より

…彼の主張と立場はその後も変わらず,50年代には,世論に抗してクリミア戦争を難じ,第2次アヘン戦争に反対した。次いで60年には,蔵相グラッドストンに助けられて,フランスとの間に自由貿易の通商条約(コブデン=シュバリエ条約)を締結した。同年贈られることになった男爵の位を辞退し,平民として生涯を終えた。…

※「コブデン=シュバリエ条約」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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