世界大百科事典(旧版)内のゴードン,C.H.の言及
【線文字A】より
…中期ミノアIII(前1800ころ)から後期ミノアI(前1410ころ)にかけて使用され,75の符号のうち54が線文字Bと同じものであるが,線文字Bがクノッソス,ピュロスなど少数の地域に限定されるのに対して,線文字Aはクノッソス,ファイストス,テュリッソスTylissos,ザフェル・パプラZafer Papoura,カト・ザクロス,パライカストロ,マリア,ハギア・トリアダなどクレタ全土から出土し,うちハギア・トリアダから150枚以上発見されている。解読については,セム語学者ゴードンCyrus H.Gordonはセム語の特徴を強調し,特にハギア・トリアダ文書や祭儀用具に刻まれた銘から,西セム語のフェニキア語系の言語であると主張しているが批判は強い。その他,小アジアの印欧語族に属するヒッタイト語説やルウィ語に近いアナトリア印欧語とする説などもあるが,文書総数も400枚以下と少なく,文書の絶対量が増えない限り解読はむずかしい。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」