世界大百科事典(旧版)内のさいなみの言及
【敵討】より
…とくに武家社会においては,武士の倫理と結びついて親の敵討の義務は不動のものとなり,さらにこの家の観念を基礎にうまれた主従倫理の確立とともに主人の敵討もしだいに従者の義務とされるようになった。このように親の敵討が他の血讐と区別され社会道徳の性格をもつと,相手のとどめをさすというような敵討の作法,敵持(かたきもち)の作法が生みだされるが,なお敵討に際し,相手の死骸を損壊する〈さいなみ〉を加えている例も多くみられ,敵討の古形がそこに継承されていることが知られる。鎌倉幕府,室町幕府ともに,敵討に代表される私的復讐を制限し,これを国家裁判権のなかに吸収しようとするが,強い自力救済観念のため成功しなかった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」