世界大百科事典(旧版)内のサコラウの言及
【アイヌ】より
…神々のユーカラは,火・風神,動・植物神などが自ら語る形をとる〈自然神のユーカラ〉と,人間の始祖とされる神が語る〈人文神のユーカラ〉に分けられ,前者をカムイユーカラkamuy‐yukar,後者をオイナoynaと呼ぶのが通例であった。しかしそれは採録,文字化されたものが比較的多かった胆振(いぶり)地方と日高の沙流地方での呼称で,オイナといえば他の地方では自然神のユーカラをさす場合も多く,またサコラウ,サコルペ,マツユーカラなどの名称もあって一様ではない。神々のユーカラはサケヘsakehe(折返し)のあるのが特徴で,サコラウ,サコルペも,ともに〈折返しをもつ〉という意味である。…
【ユーカラ】より
…〈自然神のユーカラ〉をカムイ・ユーカラkamuy‐yukar,〈人文神のユーカラ〉をオイナoynaと呼ぶ習慣があるが,これは文字化された作品が多かった地方(日高の沙流(さる)地方や胆振(いぶり)地方)の呼称を採用したものであり,オイナといえば逆に〈自然神のユーカラ〉を指す地方も多い。〈神々のユーカラ〉をマツ・ユーカラmat‐yukar,サコラウsakorawなどと呼ぶ地方もあるが,マツ・ユーカラは〈女のユーカラ〉の意で,道東地方では神々のユーカラは女性が伝承すべきものとされていたことからこの名が生まれた。サコラウは〈リフレーンをもつハウ(物語)〉という意味である。…
※「サコラウ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」