世界大百科事典(旧版)内のサルデーニャ語の言及
【イタリア語】より
…このほか南・北アメリカ,オーストラリアなどに渡った移民の間でも受け継がれている。なお,サルデーニャ島に残るサルデーニャ語はイタリア語方言の一つとしてではなく,ロマンス語に属する別個の言語として扱われる。また,イタリア北東部の都市ウディネを中心に広がるフリウリ方言,ドロミテ地方に行われるラディン方言も伝統的にはイタリア語ではなくてレト・ロマン語の方言として分類される。…
【サルデーニャ[州]】より
…イタリアの各州はそれぞれ自然条件,歴史的背景の違いによって地方色が強く,第2次大戦後の共和国憲法のもとで,かなりの程度の州自治が実現されているが,サルデーニャはその島嶼としての孤立性と14世紀から4世紀間にわたってスペイン治下にあったという歴史的事情から,イタリアの他の州とはきわめて異なる社会・文化をもっている。北隣のコルシカ島(フランス領)のほうが歴史的にイタリア半島部と文化的関係が深かったこともあって,コルシカの言語の方がサルデーニャ語よりもずっとイタリア語に近い。また,1718年にトリノを都とするピエモンテがサルデーニャ島を領有してサルデーニャ王国を名のったため,ピエモンテとの結びつきを強め,勉学あるいは就労のために島外に出る場合,ピエモンテに行く場合が多かった。…
【ロマンス語】より
…
[分類・分布]
ロマンス語の分類に関してはさまざまな試みがなされているが,19世紀末に死滅したダルマティア語(かつてアドリア海東岸に分布)を今日使用されているロマンス語に加えたうえで,次のような分類が考えられる(配列順序はヨーロッパにおける分布をおおよそ西から東にたどったもの)。(1)ポルトガル語,(2)スペイン語,(3)カタロニア語(カタルニャ語,カタラン語とも),(4)オック語(オクシタン(語)とも),(5)フランコ・プロバンス語Franco‐Provençal,(6)フランス語,(7)レト・ロマン語(レト・ロマンス語とも),(8)サルジニア語(サルデーニャ語とも),(9)イタリア語,(10)ダルマティア語Dalmatian,(11)ルーマニア語。これらの〈言語〉はいずれもいくつかの地域的な変種(方言)を含んでいるが,(1)(2)(3)(6)(9)(11)のように超局地的な共通語(標準語)の確立している言語と,そのような標準語をもたない(4)(5)(7)(8)(10)のような言語とがある。…
※「サルデーニャ語」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」