世界大百科事典(旧版)内のサーリンズ,M.D.の言及
【互酬】より
… 互酬をめぐる議論は,人類学者のあいだでは当初,財の交換をめぐって活発化し,その後は集団相互の配偶者供与(婚姻システム),人間と超自然的存在の間の相互依存,さらに最近では,シンボル理論における対立的二項に関連して展開されてもいる。 サーリンズMarshall D.Sahlinsは,財の交換を検討して,当事者双方の間で物質面でのバランスが均衡するものばかりではなく,不均衡な結果を生じるものもあり,後者を利他的なものと奪利的なものに二分した。しかし物質的次元での均衡・不均衡は,交換に伴う情緒的次元の反応や社会的連帯を生む効果などを考慮にいれた,より広い文脈のなかで検討すべきであろう。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」