世界大百科事典(旧版)内のししびしおの言及
【塩辛】より
…獣肉でつくることもあり,古く中国ではそれらを総称して醢(かい)といい,また肉醬(にくしよう),魚醬とも呼んだ。《和名抄》は醢を〈ししびしお〉と読み,《延喜式》には〈兎醢〉〈魚醢〉〈鹿醢〉〈宍醢〉(宍は肉の意)などの語が見られるほか,醢の字は略されているが〈背腸(せわた∥みなわた)〉〈海鼠腸〉などの塩辛の名がある。背腸は俗に血腸(ちわた)とも呼ばれるサケの腎臓の塩辛で〈めふん〉のこと,海鼠腸はナマコの内臓の塩辛である〈このわた〉である。…
【醬】より
…大豆を原料とする醬は,6世紀初頭の《斉民要術》に初めて登場するが,同書は大豆のものを醬とし,獣鳥肉を用いるものを肉醬,魚を用いるものを魚醬として区別している。そして,それが奈良時代までに日本に伝えられ,醬は〈ひしお〉,肉醬・魚醬は〈肉(しし)のひしお〉の意味で〈ししびしお〉と呼ばれるようになった。 令制下の宮内省大膳職には醬院が置かれ,宮廷用の各種の醬および豉(くき),未醬(みそ)を作った。…
※「ししびしお」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」