世界大百科事典(旧版)内のシッダ・マートリカー文字の言及
【悉曇】より
…また,悉曇字母(シッダ・マートリカーSiddha‐mātṛkā)という固有の文字の名称でもある。シッダ・マートリカー文字は,6世紀のグプタ文字から発展した変種で,筆記体としては法隆寺の貝葉写本がその代表例とされている。悉曇学とは,中国,日本において,サンスクリット文字に対してなされた文字,音声の学をいう。…
【梵字】より
…10世紀にかけて,ガンガー(ガンジス)川中流域,東インド,西北インドさらにカシミールにおよぶ地域に普及していた。この文字から現行のナーガリー,ベンガル,シャーラダー文字などが派生するが,シッダマートリカー文字は仏教の伝播とともに国境を越えて,中国,日本に伝わり,梵字あるいは悉曇(しつたん)文字として知られるようになった。 中国,日本では,字形,音韻,字義を集大成する悉曇学が成立し,日本語の五十音図の成立にもかかわった。…
※「シッダ・マートリカー文字」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」