世界大百科事典(旧版)内のシットダウン・ストの言及
【ストライキ】より
… 今日,ストライキは多種多様な形態のもとに行われている。職業別組合が熟練工の供給独占を行っていた段階では工場・事業所から退去するウォーク・アウトwalk outの形をとっていたが,独占資本主義の時代になって半熟練・未熟練労働者の比重が増大すると,ウォーク・アウトを行っても容易にスト破りを導入されるので,工場・事業所内の職場に座り込んで作業をしないシットダウン・ストsit‐down strikeが支配的となった。ステイインstay‐inはこうしたシットダウン・ストを発展させたもので,シットダウン・ストが契約された就業時間内のものであるのに対し,長時日にわたって職場に籠城するストライキをいう。…
【争議行為】より
…争議行為の手段態様で具体的に問題とされたものに,生産管理,職場占拠,ピケッティング,サボタージュ(怠業),製品ボイコット,リボン腕章着用闘争,ビラはりなどがある。 第1に生産管理や職場占拠(シット・ダウン・スト)戦術については,会社の所有権を侵害するとして違法説をとるものがあるが,日本の企業別労働組合の特質を考慮して,理想型の生産管理――労働組合が使用者に代わって,従前どおりの通常の方法で会社業務の管理を行い,収入は会社のために保管し,生産・販売等業務に従事する組合員には所定どおりの賃金を生産管理後に支払う形態――や使用者の会社施設の占有を排除せず操業をも妨害しない,単純な滞留型の職場占拠に,正当性を認める学説・判例が多い。なお,ストライキの実効性を確保する観点に立って,これらの争議戦術の正当性の範囲を広く解する見解もある。…
※「シットダウン・スト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」