世界大百科事典(旧版)内のシナイ契約の言及
【イスラエル】より
…このとき,族長の神と名乗るヤハウェの顕現を受けたモーセが,ヘブライ人を率いてエジプトを脱出した。紅海を渡るさいに,エジプト軍の追跡から奇跡的に救われたヘブライ人はシナイ山に行き,モーセを仲保者としてヤハウェと契約を結んだ(〈シナイ契約〉)。これにより,それまで漠然とした血縁意識しか持っていなかったヘブライ人諸部族は,一つの民族共同体イスラエルを形成し,ヤハウェはイスラエルの唯一の神,イスラエルはヤハウェに選ばれた民になった。…
【契約】より
…旧約聖書においてはこの語を神とイスラエルの民との宗教的な関係に適用し,モーセが民を代表してシナイ山で神と契約を結び,神がイスラエルの神となり,イスラエルが神の民となるという契約関係が成立した。これを〈シナイ契約〉と呼ぶ。それは神と人間との関係が人格的倫理的であるという性格を確立し,この後イスラエル宗教は人間の側の契約違反の罪とそれに対する審判,そして契約の再建と更新という仕方で展開する。…
【ユダヤ教】より
…その子孫がエジプト人の奴隷にされて苦役に服したときに,族長の神と名のる主の顕現を受けたモーセが,彼らを率いてエジプトを脱出した。彼らは紅海でエジプト軍の追跡から奇跡的に救われたのち,シナイ山において主と契約を結んだ(〈シナイ契約〉)。この契約に基づき,主はイスラエルの〈唯一の神〉,イスラエルは主の〈選民〉となった。…
※「シナイ契約」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」