世界大百科事典(旧版)内のシーリーンの言及
【シェーラザード】より
…妻の不義がもとで女性不信に陥ったシャハリヤール王に嫁し,毎夜巧妙な話術をもって千と一夜,物語を聞かせ,ついに王の心を柔らげて正妃として迎えられる。この名の源と思われるシーラーザードShīrāzād(〈自由の獅子〉の意),シャフラーザードShahrāzād(〈自由の町〉の意)はいずれもイラン人の名であることから,ニザーミーの作になる叙事詩の主人公シーリーンであるとの説もある。リムスキー・コルサコフの交響組曲《シェエラザード》(1888)も《千夜一夜物語》にもとづくもので,この曲によるバレエ(フォーキン振付,1910初演)も著名。…
【ホスローとシーリーン】より
…イラン詩人ニザーミーのロマンス叙事詩《五部作》のうち,1177‐81年にかけて6500句をもってうたわれた一編。ササン朝の王ホスロー2世(在位590‐628)と美女シーリーンをモデルにした恋物語。ホスローとシーリーンとの長い愛の遍歴と結婚,暗殺された王の後を追って自害するシーリーンの悲劇は,イラン本土のほか,東方イスラム世界の各地で広く賞賛され,ミニアチュールに描かれ,ロシアではバレエとなって上演されている。…
※「シーリーン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」