世界大百科事典(旧版)内のジャンプカットの言及
【勝手にしやがれ】より
…自動車泥棒と警官殺しの犯人であるアナーキーな青年が,恋人のアメリカ娘に密告され警官に射殺されるまでを,原題(《息切れ》)そのままに鮮烈に息せき切ったリズムで描く。カットの時間の持続性やアクションつなぎを無視した編集(〈ジャンプカット〉と呼ばれる)は,ラウール・クータールの手持ちカメラによる移動撮影や写真用の高感度フィルムを使った照明なしの夜間撮影の効果とともに,〈即興演出〉のみずみずしい息吹を生かし,1941年のオーソン・ウェルズ監督《市民ケーン》のように(とフランソア・トリュフォーは分析している)革新的な映画話法を確立して,映画史の大きな曲り角の一つとなった。アメリカのB級映画会社〈モノグラム〉にささげられ,主人公の青年がハンフリー・ボガートにあこがれるなど,アメリカ映画へのオマージュとともに,ゴダール好みの数々の映画的引用(空港でインタビューをうけるジャン・ピエール・メルビル監督も含めて)がちりばめられている。…
※「ジャンプカット」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」