世界大百科事典(旧版)内のジヤーラの言及
【巡礼】より
…世界の各地から集まった巡礼の群れは,タワーフ,サーイ,ウクーフの雑踏の中にわが身を置いて初めて,人種,民族,言語,国籍を超えた聖なる共同体の一員としての自己を自覚する。 イスラム法の定める巡礼はハッジュとウムラだけであるが,墓への参詣を意味するジヤーラziyāraも一般には巡礼と訳され,その宗教社会学・宗教心理学的意義は,ハッジュとほとんど変わらない。ジヤーラには,(1)メディナの預言者のモスクに収められたムハンマドの墓,(2)聖者の墓,(3)シーア派のイマームの墓およびイマームザーデへの参詣があり,とくにナジャフ,カルバラー,マシュハドへのジヤーラはシーア派にとってハッジュに次ぐ重要な宗教的行事とされ,独特な儀礼も定められている。…
【墓】より
…聖者の近くに埋葬されることで,死後,聖者の仲介が求められるからである。有名な聖廟には,遠隔地から参詣(ジヤーラjiyāra)が行われ,とくに年1度の聖廟の例祭(マウリド,インドではウルス)が催され,この期間に市が立ちにぎわう。下エジプトではタンターの聖者アフマド・アルバダウィーの聖廟が,インドではアジュメールの聖廟が有名である。…
※「ジヤーラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」