世界大百科事典(旧版)内のジード,A.の言及
【ジッド】より
…フランスの小説家,批評家,劇作家。南フランス出身の法律学者を父に,北フランスの素封家出の賢婦人を母にもつ彼は,厳格なピューリタンとしてはぐくまれた。そんな彼の生涯のドラマを決したのは,母方の従姉マドレーヌ・ロンドー(後年のジッド夫人)との恋である。この恋愛体験,その後の結婚生活の体験がなんらかの形で影を落としていない作品は皆無といっていい。処女作《アンドレ・ワルテルの手記》(1891)以来,だいたいの作品が,あるときは彼女に象徴されている伝統的諸価値とプロテスタントの道徳規範への順応として,あるときはそれらへの反逆として,またあるときは順応と反逆の激しい相克として構成されている。…
※「ジード,A.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」