世界大百科事典(旧版)内のセビリャ大聖堂の言及
【ゴシック美術】より
…これも儀礼中心より説教や講話が重要視される教会堂形式として,ハレンキルヘとともに中世後期の特色を発揮している。14~15世紀はイスラム美術の要素と融合した情熱的なムデーハル様式が成立し,スペイン的な色彩を付加し,またセビリャ大聖堂(1403‐1506)のようにモスクの形式にならって多廊多柱式を採用し,最大面積の大聖堂の一つを実現している。世俗建築としては,セゴビアのアルカーサル(14世紀),メディナ・デル・カンポの城(1440),トレド,バレンシアの城門や,トレドのアルカンタラ橋(1258)などが構造美を誇り,グアダラハラの宮殿(15世紀末)が豪華怪異なムデーハル様式の装飾を展開し,地中海沿岸地方には繁栄を物語る都市建築の伝えられるものが多い。…
【スペイン美術】より
…14世紀のカタルニャ地方は,単身廊で飛梁を周壁内におさめ八角形の鐘楼をもつ,水平性の強いマッシブなゴシック様式を樹立し,ヘロナやマリョルカ島パルマの大聖堂などを残した。奪回の遅れた南部セビリャに建てられた,世界で3番目に大きいキリスト教教会のセビリャ大聖堂(15~16世紀)は,モスクの跡地に建てられたこともあって長方形プランで水平性が強く,鐘楼となっているヒラルダの塔とみごとな調和を見せている。後期ゴシックが,そのムデーハル化ともいうべき国民様式のイサベル様式を発展させたのは注目に値する。…
※「セビリャ大聖堂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」