世界大百科事典(旧版)内のセリ上げの言及
【劇場】より
…
[独自の舞台機構の開発]
宝暦年間(1751‐64)には,舞台機構の上での改新的な数々の技術改革が実施された。セリ上げ(1753),狂言作者並木正三による回り舞台(1758)の発明,スッポン(1759),がんどう返し(1761),次の明和期には引割り,さらに1789年(寛政1)には田楽返しが創案されて,歌舞伎の演出上多彩な展開を可能とした。すでに歌舞伎劇場の舞台面では,1761年には舞台上の破風屋根を除去したし,目付柱・脇柱も撤去して独自の展開をすすめる条件が整えられた。…
【舞台】より
… 享保から元文・延享・宝暦・明和にいたる18世紀前半から中葉にかけて,舞台機構や設備の上で創意にみちた新しい考案が,次々に実施されていく。1753年(宝暦3)12月大坂の大西芝居で〈セリ上げ〉,5年あとの58年2月には狂言作者並木正三によって同じく道頓堀角の芝居で,大劇場では画期的な〈回り舞台〉が創始された。さらに59年4月道頓堀の大西芝居で〈スッポン〉が,61年12月大坂の中の芝居で〈がんどう返し〉が,さらに66年(明和3)に大西芝居で〈引割〉が創案された。…
【商品市場】より
…商品の入札会もせり売の一種といえる。せりには買手が値をせり上げていく〈せり上げ〉と売手が唱え値を下げていく〈せり下げ〉があるが,実際にはせり上げがほとんどである。野菜,果実,魚介,食肉など生鮮食品は腐敗しやすく,保存しにくいため,生産者から消費者まで一直線の縦取引商品の典型であるが,その縦流通のかなめにある卸売市場の取引は法律でせりか入札を原則とするとされている。…
【せり(糶∥競り)】より
…1人の売手に対し2人以上の買手が相互に値段を競い合い,最も高値を付けた買手に売ることを〈せり売り〉といい,卸売市場での生鮮食料品の標準的な売買仕法である。せり売りには買手が値をせり上げていく〈せり上げ〉と,売手が値をせり下げていく〈せり下げ〉があるが,せり下げはオランダ,ベルギーなど一部で行われたところから,別名オランダぜりDutch auctionと呼ばれるように,特殊な物品,特殊なケースに限られる(街頭のバナナ売りなど)。せりの一般的な形態はせり売りだが,買手が1人で,2人以上の売手が競争して最も安値を付けた売手のものを買うのを〈せり買い〉といい,建築工事の請負や官公庁の調度品入札などにみられる競争入札(入札)はせり買いの一種である。…
※「セリ上げ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」