ゼンメルワイス,I.P.(読み)ぜんめるわいす

世界大百科事典(旧版)内のゼンメルワイス,I.P.の言及

【医学】より

…近代外科の発展にとって最も大きな技術開発は,(1)消毒あるいは無菌手術,(2)麻酔,および(3)止血と輸血あるいは輸液,の三つである。消毒はイギリスのJ.リスターが先鞭をつけ,ウィーンではI.F.ゼンメルワイスが独自にそれを導入した。いずれも細菌学の知識なしに,傷口の化膿・腐敗あるいは血液毒を中和するために,強力な芳香をもつ石炭酸や塩素水を使用した。…

【殺菌剤】より

…病気が悪臭によって起こると考えられた時代には脱臭を目的として塩素が用いられたが,それが結果的には細菌の増殖を阻害して病気の伝染を予防したこともある。有名なのは,塩素水(のちに塩化石灰水)を用いて病院内感染を防止したI.P.ゼンメルワイスの産褥(さんじよく)熱に関する仕事である。ラバラックA.Labarraqueはこれより早く,1825年に化膿した傷の洗浄に用いた。…

【手術】より

…一方それまで医学において遅れていたドイツのベルリンにもCollegium medicochirurgicumが設立され,ようやく医学の一分野としての外科の立場が認められるようになった。 19世紀に入って,アメリカのロングCrawford Williamson Long(1842),ウェルズHorace Wells(1844),W.T.G.モートン(1846)やイギリスのシンプソンJames Young Simpson(1847)らによる全身麻酔法,L.パスツール(1861)の腐敗現象は空気中の微生物によるという報告に基づいたI.P.ゼンメルワイス(1847),J.リスター(1867)らによる制腐消毒法,ベルクマンErnst von Bergmann(1886)やシンメルブッシュCurt Schimmelbusch(1889)による無菌法,エスマルヒJohann Friedrich August von Esmarch(1823‐1908)による駆血帯の使用は,その後の外科手術を飛躍的に進歩させることとなった。すなわち,ランゲンベックBernhard Rudolf Conrad von Langenbeck(1810‐87)の子宮全摘出術,ティールシュCarl Thiersch(1822‐95)の植皮術,フォルクマンRichard von Volkmann(1830‐89)の直腸癌手術,ビルロートTheodor Billroth(1829‐94)の胃切除術の成功例が報告されるようになった。…

※「ゼンメルワイス,I.P.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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