世界大百科事典(旧版)内のタクリードの言及
【ザーヒル派】より
…法源(ウスール)としてキヤース(類推)を認めず,イジュマー(合意)をサハーバ(預言者ムハンマドの教友)のそれだけに限り,コーランとハディースの文字どおりの意味(ザーヒルẓāhir)に忠実に従わねばならないとした師の教えを忠実に継承した。10世紀以降もタクリード(先人の模倣)を拒否し,イジュティハードの行使を強く主張した。早くホラーサーン,東部イランに伝えられたが,さしたる勢力とならなかった。…
【サラフィーヤ】より
…それが単なる復古主義でないのは,回帰すべき原点,純化されるべき伝統がそもそも何であるかを,厳しく問うものだからである。イスラムの〈現状〉を衰退・堕落として批判し,状況を打開・是正するタジャッドゥドtajaddud(復古=革新)が課題として自覚され,タクリードtaqlīd(過去の権威によって確立されたところにそのまま従うこと)にとらわれることなく,イジュティハードを再開することが求められる。この思想・運動の最も明確な出発点となったのは,ワッハーブ派であった。…
※「タクリード」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」