世界大百科事典(旧版)内のタネツギの言及
【救荒食物】より
…しかし焼畑栽培はやめても,そこで作っていたものは現在でもわずかながら里の定畑で栽培しており,食料事情が豊かであれば,全部を収穫しないで翌年のために,種子だけを取っているのである。こうした庶民のみずからの救荒認識を,徳島県三好郡の祖谷山(いややま)地方ではタネツギといい,現在の食料事情がいつ変転して,自給自足の生活に立ちもどってもよいように,先祖伝来の作物の種子だけは作り続けているのである。政治的制度としての救荒と,庶民の主体的救荒とは,根元的に異なる意味を持っている。…
※「タネツギ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」