世界大百科事典(旧版)内のタルタルの言及
【ウマ(馬)】より
…モンゴル人の下にあっては,馬肉は貴人の食品でさえあった。中世以降,キリスト教の影響で,ヨーロッパで馬肉食は馬の犠牲風習の禁止とともに抑制されたが,タルタルという名の下で異国風の料理とみなされ,現在でもなお生の馬肉の料理は根強く愛好されている。また馬乳の飲用は,古代ではスキタイ人やリトアニア人の下で知られ,中世以降ではモンゴル人の下でよく知られている。…
【タタール】より
…この軍にはタタール族が多くいたという。またこのモンゴル軍は当時のヨーロッパに大きな恐怖を与えたため,ヨーロッパ人はタタールとギリシア語のタルタロスtartaros(〈地獄〉の意)とをかけて,モンゴルをタルタルTartarと呼ぶようになった。中国においてもモンゴルのことを韃靼と呼ぶ習慣が続いたが,本来のタタール族は以後力を失い,明代においては内モンゴルのチャハル部やトゥメット部を構成する小集団としてその名が見えるにすぎない。…
※「タルタル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」