世界大百科事典(旧版)内の《タンバレイン大帝》の言及
【アンカラの戦】より
…バヤジト1世を伴ったティムール軍と別動隊は,ブルサ,イズニク,イズミルをも攻略し,やがて帰途についたが,その途上の03年3月9日,バヤジト1世はアクシェヒルで病没した。このオスマン皇帝の虜囚生活と死はヨーロッパの文学者たちの関心をひき,16世紀イギリスの劇作家C.マーローによる戯曲《タンバレイン大帝》などの作品を生んだ。【間野 英二】。…
【マーロー】より
…イギリスの詩人,劇作家。カンタベリーの靴職人の子として生まれ,ケンブリッジ大学在学中に劇作を始めた彼は,その短い生涯を通じて早熟の異才としてもてはやされるとともに,エリザベス朝演劇の基礎を固めた偉大な先駆として演劇史に名をとどめた。反面,無神論者で同性愛者だったという同時代人の証言もあり,政府の秘密諜報機関とかかわりをもち続けて,最後はその仲間とのいさかいで殺されたとされている。代表作としては,羊飼いから身を起こして一大大陸の覇者となったティムール大帝の勇壮で波乱に富む生涯を劇化した二部作《タンバレン大帝》(1587ころ初演),自己のあらゆる欲望を満たすために悪魔に魂を売り渡したファウストを主人公とする悲劇《フォースタス博士》(1588ころ初演),飽くなき物欲の鬼の破滅を扱ったメロドラマ《マルタ島のユダヤ人》(1589ころ初演),悪政によって内乱を招き残忍な権謀家の家臣によって殺される悲劇の王をめぐるイギリス史劇《エドワード2世》(1592ころ初演)などがある。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」