世界大百科事典(旧版)内のディルハム銀貨の言及
【貨幣】より
…これ以後イスラム世界では1ディーナール4.25gが正式の単位となった。また698年には新しいディルハム銀貨が鋳造され,1ディルハム2.97g(ササン朝の1ディレム銀貨は3.98g)と定められた。 9世紀の初めまでは,ディーナール金貨は主として旧ビザンティン帝国領地域(シリア,エジプト)と北アフリカ,スペインで使われ,イラク,ペルシアではもっぱら中央アジア産の銀によるディルハム銀貨が使われた。…
【ディルハム】より
…金貨の単位であるディーナールとの換算比率は,1ディーナール=10ディルハムが法的標準のはずであるが,実際は時代,地域によって大きな変動があり,極端な場合には1ディーナール=30ディルハム以上ということもあった。ディルハム銀貨は最初,ササン朝のものをまねてつくられたが,ウマイヤ朝のアブド・アルマリク(在位685‐705)時代にイスラム独自の銘だけのものが鋳造され,その型がだいたい踏襲された。ディーナール金貨が主として旧ビザンティン領で使われたのに対し,イラク,ペルシアでは,ディルハム銀貨が流通した。…
※「ディルハム銀貨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」