世界大百科事典(旧版)内のトゥバシュトリの言及
【インド神話】より
…インドラは元来,雷霆(らいてい)神の性格が顕著で,ギリシアのゼウスや北欧のトールに比較されるが,《リグ・ベーダ》においては,暴風神マルトMarut神群を従えてアーリヤ人の敵を征服する,理想的なアーリヤ戦士として描かれている。中でも,工巧神トゥバシュトリの造った武器バジュラ(金剛杵)を投じて,水をせき止める悪竜ブリトラVṛtraを殺す彼の武勲は,繰り返したたえられる。このため,彼は〈ブリトラを殺す者(ブリトラハン)〉と呼ばれる。…
【リグ・ベーダ】より
…これによって知られる古代インドの宗教は明らかに多神教で,賛歌の対象となる神格の数はきわめて多い。神格の多くは火神アグニ,風神バーユなどのような自然現象を神格化したものであるが,そのほかに,工巧神トゥバシュトリTvaṣṭṛ,意力を神格化したダクシャDakṣa,言語を神格化した女神バーチュVācなど多彩な神格が認められる。最も尊崇された神は武勇神インドラで,《リグ・ベーダ》賛歌のほぼ4分の1がこの神にささげられている。…
※「トゥバシュトリ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」