世界大百科事典(旧版)内のトランスナショナル化の言及
【トランスナショナリズム】より
…さらに現在,トランスナショナルな組織とりわけ巨大多国籍企業が,時には政府以上に,国際経済や国際政治の動向に大きな影響力を与えていることは周知の事実である。 このように現代ではトランスナショナルな関係・組織が国際社会に大きな影響力を及ぼしているが(以下,このような現象を〈トランスナショナル化〉と呼ぶ),これを推進してきた主体は,〈南〉の開発途上社会よりも〈北〉の先進社会であり,また,一般市民よりもエリートであった。すなわち,通信,貿易,投資などのトランスナショナルなネットワークは,主として〈北〉のイニシアティブによってつくりあげられ,その結果,〈北〉の社会は,最新の高度の情報を速やかに手に入れることができるようになり,また〈南〉の資源の利用,〈南〉への製品の輸出および投資などによって,豊かな生活を享受することが可能になった。…
※「トランスナショナル化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」