世界大百科事典(旧版)内のトロプスの言及
【ドイツ音楽】より
…ドイツ音楽の原点は,おそらくこの段階におけるゲルマン精神とラテン的キリスト教精神との対決にあるといわねばならない。9世紀に創設されたスイスのザンクト・ガレン修道院でくふうされたトロプス(進句)およびそれに次いで起こったセクエンティア(続唱)は,ゲルマン人にとって歌いにくいラテン語歌詞のメリスマ旋律を,新作のラテン語歌詞の付加により歌いやすくしようとした,いわゆるグレゴリオ聖歌のゲルマン的変容の最初の例である。これはまたオルガヌムのような初期多声音楽の発明とも密接な関係をもっている。…
※「トロプス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」