世界大百科事典(旧版)内のナイル河谷の言及
【エジプト】より
… 北アフリカの砂漠地帯を貫いて北流するナイル川がエジプトの生命線である。デルタ北西端のアレクサンドリアの年間降雨量204mm,カイロ30mm,ミニヤー以南の上エジプトはほとんど0に近いという,オリエントでは砂漠につぐ乾燥地帯にあり,ナイル川の浸食作用により形成された河谷および河口に,川が上流より運んできた肥沃な沖積土が堆積してつくりあげた土地(ナイル河谷約2万2000km2,デルタ約1万3000km2)だけが,人間の生存と農耕に不可欠な水を得て,人間生活の舞台となった。この状況は,灌漑地域の拡大による近年の生活空間の広がりにもかかわらず,基本的には変わっていない。…
※「ナイル河谷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」