世界大百科事典(旧版)内のナティ・バンポーの言及
【アメリカ文学】より
…W.アービングは《ニッカボッカーのニューヨーク史》(1809)で,歴史をフィクションに移し,《旅人の物語》(1824)では,深刻さを欠き,短編が多くなる末期型のゴシック・ロマンスを発展させ,ホーソーンやポーを先取りした。アメリカのスコットと呼ばれたJ.F.クーパーは五部作《レザーストッキング物語》(1823‐41)において,高貴な開拓者ナティ・バンポーを文明と荒野の接点に置き,アメリカのフロンティアに大ロマンスを展開させた。W.C.ブライアントは大自然をたたえ,〈アメリカ詩の父〉となった。…
【レザーストッキング物語】より
…アメリカの小説家J.F.クーパーの《開拓者》(1823),《モヒカン族の最後の者》(1826),《大草原》(1827),《探検者》(1840),《鹿狩り人》(1841)からなる5部作。共通する主人公のナティ・バンポーがいつも革脚絆を着用している姿から,このシリーズの名称が生まれた。クーパーは最初の3作では,白人とインディアンの両人種の美徳を備えたナティ・バンポーが,押し寄せる文明の前に敗れ去る姿を歴史の必然として描いている。…
※「ナティ・バンポー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」