世界大百科事典(旧版)内のニッケル基耐熱合金の言及
【合金設計】より
…物性研究と合金設計との大きな違いは,前者が現象理解のための分析的な志向性をもち,なんらかの解が必ず存在するのに対して,後者は合成的な志向性をもち,発見的あるいは試行錯誤的な方法論に依拠していること,用途と密接な関係があるため,それぞれの合金設計の結果は以後の不断の改良を前提としていることである。代表例にはニッケル基耐熱合金の設計がある。クリープ破断強度,高温耐力/伸び,組織安定性,耐食耐酸化性などの目標値が設定され,それに合うようなミクロ組織(〈金属組織〉の項参照)の選定が行われ,数億にも及ぶような合金元素含有量の組合せの中から目的に合いそうな有効な合金組成を数十種類選び出して実験的検討を加え,最適な合金組成を決定することが行われている。…
【耐熱合金】より
…しかしニッケル,コバルト,クロムを基本とする合金と比較してどうしても耐酸化性に難点があるので,高温にさらされる時間が短く,その間にかなりの強度が要求されるような用途での使用に限られている。ニッケル基耐熱合金はオーステナイト系耐熱鋼を発展させたものであり,おもな用途はコバルト基合金の用途と同様,ガスタービン翼やジェットエンジン回転羽根材である。800~900℃の間の使用温度に耐えるものがある。…
※「ニッケル基耐熱合金」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」