世界大百科事典(旧版)内のネルジュボフ,D.N.の言及
【エチレン】より
…また,トリエチルアルミニウムなど合成化学的に有用な有機金属化合物を与えるなど,精密化学の分野でも重要な役割を果たしている。【冨永 博夫】
【植物ホルモンとしてのエチレン】
19世紀末には,ヨーロッパ各地でガス灯用のガス管の破損によるガスもれが街路樹に有害で異常な形態の変化をもたらすことが知られていたが,1901年にオーストリアの若い科学者ネルジュボフD.N.Neljubowが実験室内や温室内で生育させたエンドウの芽生えにみられる形態の異常について,それがガス中のエチレンによるものであることを示した。のちに,カビ類,細菌類の一部と大部分の高等植物で,植物体自身がエチレンを生成し,それが植物の正常な生長過程における調節に一役かっていることが明らかとなるに及び,エチレンは植物ホルモンの一種と認められるようになった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」