世界大百科事典(旧版)内のノーマン,D.A.の言及
【相互作用】より
…ギブソンは,何かが〈見える〉ということは外界に準備されている性質だと考え,これをアフォーダンスと呼んだ。ノーマンD.A.Norman(1935- )はこの概念を,何かを見ようとする主体の働きかけへの外界側の応答としてより相互作用的に捉え直すことによって,人が使いやすいデザインの指針へと拡張した。道具のインターフェースは,あらかじめ特定の行為を誘う〈見え〉をもたせることで使いやすさを高めたりエラーを未然に防いだりすることができる。…
【認知工学】より
…使いやすい,あるいは使いにくいという評価は人の頭の中,すなわち人という認知システムの中で生ずるものであり,モノと人との相互作用の中で発生する,いわば人というフィルターを介してモノを見た属性である。ドナルド・ノーマンDonald A.Norman(1935- )は,〈情報の表示・操作・保存を目的とした人工物〉を認知的人工物cognitive artifactsと定義したが,この視点から,一見すると情報とは無縁に思われるようなモノ(たとえば戸棚の扉)であっても,たとえばメモを貼るという使い方によって〈情報表示〉の道具すなわち認知的人工物にもなること,また人が使うというその時点において〈どのように使うか〉という情報(扉のどちら側にどの向きに力を加えるか)の表示が必要であることを明らかにした。すなわち,あらゆる道具は,人が使うものである限り,すべて認知的な人工物と考えることができる。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」