…17世紀のフランスでは,宮廷生活において貴族たちの家柄と地位がとくに重視され,金箔を施した彫刻やゴブラン織で飾られた豪華で重厚ないすが社会的権威の象徴として,その性格をいっそう強めることになった。イギリスではジャコビアン様式のパネルバック・チェアや正装した貴族たちの容姿を引き立てる〈かつらいす〉とよばれる豪華なハイバック・チェアなどが人気を博した。18世紀になると,ルイ15世のベルサイユの宮廷をはじめ,パリ市内では上流貴族を中心にした優雅な社交生活を楽しむサロンが頻繁に開催された。…
※「ハイバックチェア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」