ハクセンシオマネキ(読み)はくせんしおまねき(その他表記)Fiddler Crab

知恵蔵mini 「ハクセンシオマネキ」の解説

ハクセンシオマネキ

エビ目・スナガニ科のカニ一種。体色は白みがかった灰色茶色で、幅約2センチと小型な甲羅に比べ、オス片方のハサミが白く大きいことが特徴。メスを呼ぶためにハサミを上げ下げする行動が白い扇子を振って潮を招くように見えることから名付けられた 。神奈川県以西の本州太平洋岸、四国、九州などに分布し、河口付近の干潟個々に巣穴を作って集団で生息する。河口域干拓や環境汚染などで生息地が減少しており、2006年に環境省レッドリストの絶滅危惧種に指定されている。12年、初めて東京湾内(千葉県木更津市・小櫃川河口干潟)での生息が確認された。

(2012-07-24)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のハクセンシオマネキの言及

【シオマネキ(潮招)】より

…シオマネキ類は世界で80種余りが記載されており,日本は分布の北限にあたる。日本産は8種であるが,はさみが白いハクセンシオマネキU.lactea(イラスト)(甲幅1.5cm),黄色いヒメシオマネキU.vocans(イラスト)(甲幅2cm),紅色のベニシオマネキU.chlorophthalma crassipes(甲幅1.5cm)が多く,かつて九州に多かったシオマネキはカニの塩辛の蟹漬(がんづけ)の最高の材料とされたため,ごく少なくなってしまった。いずれの種も内湾の砂泥地に群れをなしているが,巣穴の周囲の一定の広さをなわばりとして生活しているため,濃密な群れをなすことはなく,また,種ごとにある程度のすみ分けを行っている。…

※「ハクセンシオマネキ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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