世界大百科事典(旧版)内のハリージュの言及
【カイロ】より
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[位置と景観]
細長いナイル川の谷がデルタへ扇形にひろがろうとするかなめの位置にあり,近代以前はナイル川の水運により,19世紀中葉以降になるとここを中心として国内各地とつながる鉄道網や道路網をも加えて,つねにエジプト全土の政治・経済・文化の中心であった。また,エジプトのみならず,アフリカ,アジア,ヨーロッパ三大陸の接点で,ナイル川の3分流の出口にあるアレクサンドリア,ロゼッタ,ディムヤート(ダミエッタ)の三つの海港を経由して地中海と,ファラオ時代以来の運河(ハリージュ)あるいは隊商路でつながるスエズ(古代にはクルズム)を経由して紅海,インド洋と,さらに隊商路によってシリア方面やアフリカ各地と結ばれ,古来,経済的のみならず政治的・戦略的にも国際的要衝であった。現在は航空路網もこれに加わる。…
【灌漑】より
…またイランでは,蒸発を防ぐために地下の暗渠(カナート,カレーズ)によって水を導く乾燥地域に特有な引水法が考案され,テヘラン周辺やイスファハーンなどの高原地帯では現在でもこの方法が用いられている。河川灌漑では耕地まで水を引く運河(ハリージュ,ナフル)や水路(トルア)の開削が不可欠であった。 歴代のイスラム王朝は積極的な勧農政策を実施し,種々の水利事業を興して租税収入の増加に努めた。…
※「ハリージュ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」