世界大百科事典(旧版)内のバンチェン土器の言及
【タイ陶磁器】より
…タイの陶磁器の歴史は13世紀のスコータイ王朝の成立を期に,その前時代とスコータイ王朝以降に分けることができる。最古の土器はベンガラで渦文や螺旋文をめぐらしたバンチェン土器(バンチェン)といわれ,前3000年ころとも紀元前後ともいわれている。施釉陶はスコータイ王朝以前はクメール陶器の影響を受けた黒釉陶を生産している。…
【バンチェン】より
…タイ北東部,ウドンタニ県の同名の村にある墓地遺跡。低い台地上の集落内に発見された。クリーム色のスリップ(化粧土)の上に,赤鉄鉱の粉末で彩文を施した土器で有名になった。初期の調査により青銅器時代の所産とされ,熱ルミネッセンス法による年代測定の結果,前4000年というきわめて古い年代が提示されたことから大きな問題を投げかけることになった。調査は1967年以来継続されているが,正式報告に類するものはまったくなく,発掘者の意見もしだいに変わっているため,現在もなお確実なことはいえない。…
※「バンチェン土器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」