世界大百科事典(旧版)内のパウエル,C.F.の言及
【宇宙線】より
…37年には湯川秀樹によって予言された中間子と考えられる粒子が宇宙線中に発見されて注目を集めた。この粒子は核力をもたず,湯川の予言したものではなかったが,47年にイギリスのパウエルCecil Frank Powell(1903‐69)らは新開発の原子核乾板によって宇宙線中に湯川の予言したπ中間子と,その自然崩壊によって生じたμ粒子を発見した。その後,宇宙線中の新粒子探索は盛んになり,Λ粒子やK中間子などの発見が続いたが,50年代になると高エネルギー加速器が出現し,人工的に各種粒子の発生が可能となり,研究の主流は加速器実験へ移行した。…
【素粒子】より
…そこでμ中間子とは別にもう1種類の中間子,π中間子の存在を考える二中間子論が坂田昌一,谷川安孝など(1946),少しおくれてR.E.マルシャク,H.A.ベーテ(1947)によって提出された。47年,C.F.パウエルらは宇宙線中に露出した原子核乾板を念入りに調べ,質量が電子の約260倍ほどで原子核と激しく反応する粒子が存在すること,またこの粒子がときとして質量が電子の200倍くらいの粒子と質量が0にきわめて近い粒子に崩壊することを見いだした。そして重いほうの粒子が湯川の予言したπ中間子で,これが崩壊して生ずる,質量が電子の200倍ほどの粒子がアンダーソンらの見つけたμ中間子であることが明らかにされ,二中間子論の正しさは確かめられた。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」