世界大百科事典(旧版)内のひしおみその言及
【醬】より
…貴族や官人たちへの給与を見ても,醬は原則的に未醬より多量に給されており,塩を除けば最も用途の広い重要な調味料であり,しょうゆというすぐれた調味料を生み出す母胎になったものと考えられる。 現在〈ひしお〉,または〈ひしおみそ〉と呼ばれているのは〈径山寺(きんざんじ)みそ〉に近いなめみその一種になっているが,液体調味料であったひしおが,こうした形態のものになったのは室町期ころからと考えられ,《和漢三才図会》(1712)は同量の大豆と麦にこうじを加え,塩水でこねて貯蔵発酵させたのが醬で,俗に〈ひしおみそ〉と呼ぶとしている。なお,中国古代の醬のうち,現在もほぼそのままの形で利用されているのは魚醬で,東南アジア一帯では重要な調味料とされている。…
※「ひしおみそ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」