世界大百科事典(旧版)内のヒメカンゾウの言及
【キスゲ】より
…尾瀬の大群落で有名なゼンテイカ(別名ニッコウキスゲ)H.dumortierii Morren var.esculenta (Koidz.) Kitam.(イラスト)は近畿北部から北海道にかけての高山の湿原を中心に分布するが,分布域の北部では低地や海岸にも見られ,そのなかで大型の海岸型になったものがトビシマカンゾウH.dumortierii var.exaltata (Stout) Kitam.で山形県の飛島や佐渡の海岸草原に分布する。基本変種のヒメカンゾウH.dumortierii var.dumortierii(英名narrow dwarf day‐lily)は日本で栽培されていた園芸品種で,名前のように2~数個の花をつけるかわいらしいカンゾウの1種である。ゼンテイカと異なり地下に長い走出枝を出す八重咲きのヤブカンゾウH.fulva L.var.kwanso Regel(英名double tawny day‐lily)(イラスト)や一重咲きのノカンゾウH.fulva L.var.distiche (Donn.) Hottaは,西南日本に多く分布する暖温帯系の種類で,橙黄色の花をつける系統もあるが,多くは赤っぽく,花被の基部寄りに濃色で山形の斑紋を有している。…
※「ヒメカンゾウ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」