世界大百科事典(旧版)内のヒヨスチアミンの言及
【チョウセンアサガオ】より
…【古里 和夫】
[薬用]
ヨウシュチョウセンアサガオの葉を,生薬ではダツラ葉あるいはマンダラ葉(ともに英名はstramonium)という。葉と種子にアルカロイドのヒヨスチアミンhyoscyamineを含み,鎮痛,鎮痙(ちんけい),鎮咳(ちんがい)薬とし,またアルカロイド抽出原料とする。チョウセンアサガオやD.inoxia Mill.の花を洋金花(ようきんか),種子を曼陀羅子(まんだらし)という。…
【ハシリドコロ】より
…根茎は生薬のロート根(こん)となり,ベラドンナの日本産代用品とする。有毒成分は複数のアルカロイドで,ヒヨスチアミンhyoscyamine,スコポラミンscopolamineなどを含み,胃痛,胃痙攣(いけいれん),十二指腸潰瘍などに用いられるロートエキスやアトロピンatropine(ヒヨスチアミンのラセミ体)の製造原料とする。 ハシリドコロ属はヨーロッパ,ヒマラヤ,東アジアに7種が知られ,すべて有毒植物である。…
【ヒヨス】より
…ヒヨスチアミンhyosciamineという毒性の強いアルカロイドを含むことで有名なナス科の二年草。ヨーロッパからシベリア,中国,ヒマラヤにかけて広く分布する。…
【ベラドンナ】より
…熟すと黒紫色となる。アルカロイド成分であるヒヨスチアミンhyoscyamine,アトロピンatropineなどは鎮痛剤,催眠薬として利用される。原産地はヨーロッパ南西部から西アジアにかけての乾燥地帯である。…
【有毒植物】より
…そのため昔から宗教儀式に用いられた形跡がある。ナス科のチョウセンアサガオ,ハシリドコロなどはスコポラミンやヒヨスチアミン(アトロピン)などのアルカロイド成分が副交感神経の働きを抑え,大量では中枢を麻痺させるので瞳孔の散大,口渇,腹痛をおこしついには狂騒の果てに痙攣を生じ心臓麻痺による死を招く。世界にさきがけて全身麻酔を行った華岡青洲の通仙散には,チョウセンアサガオの葉が用いられた。…
※「ヒヨスチアミン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」