ヒーリー,W.(読み)ひーりー

世界大百科事典(旧版)内のヒーリー,W.の言及

【犯罪学】より

… 犯罪心理学の理論も多岐に分かれるが,S.フロイトに始まりその後継者であるアイヒホルンA.AichhornやフリードランダーK.Friedlanderなどによって展開された〈精神分析理論〉は,幼少期の人間関係に起因した自我や超自我の発達障害をおもな非行原因とみる。非行少年の事例研究による非行少年群と無非行少年群との比較の結果前者に顕著な情動障害者が多いことを見いだしたヒーリーW.Healyは,非行の原因を幼少期の満たされない人間関係によって生じる情動障害であるとする〈情動障害理論〉を展開した。〈自我同一性危機論〉を主張するE.H.エリクソンは,子どもから大人への移行期としての青年期には自我の再構成を図り,自我同一性を確立することが必要であるが,非行はこれが十分に確立されないところに起因するとする。…

【非行】より

…このような経緯をへて応報的刑罰に代わり,個人的な理解を中心とした人間的・心理的な取扱いがなされはじめ,処遇treatmentと呼ばれるようになった。20世紀に入ると,ドイツのグルーレやアメリカのヒーリーW.Healyらを嚆矢(こうし)として,非行原因の実態調査を基礎に処遇を行う科学主義が導入され,さまざまな分野において科学的研究が活発に進められた。その結果,非行の原因は単一ではなく,精神的・心理的・身体的・社会的・経済的・政治的などの要因が有機的に複雑に関連していることが明らかにされた。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」