世界大百科事典(旧版)内のピリディウム幼生の言及
【紐形動物】より
…無脊椎動物の中の1動物門。一般にヒモムシと呼ばれる。扁形動物のウズムシ類に似るが,さらに体の内部構造が複雑になり,また独特な吻(ふん)をもっている。ごく少数の種類が淡水や熱帯の湿地にもすむが,大部分は海産で,海岸の石の下や砂中に潜って生活する。また深海を浮遊生活しているものもある。とくに人間との関係はない。 体は細長いひも状で,環節がなく,背腹に扁平である。体長は大きなもので90cmほどになり,体幅は2mm~1cm。…
【幼生】より
…他の動物における中実胞胚にきわめて似ている(図1)。(2)原輪子幼生protrochula 原体腔類として分類される扁形動物(ミュラー幼生,ゲッテ幼生)およびひも形動物(ピリディウム幼生)にみられるもので,原体腔(胞胚腔から発展した腔所)内に内胚葉性の盲管と小さな神経節を一つそなえた簡単な構造をもち,体表に繊毛をはやして遊泳する(図2)。(3)担輪子幼生(トロコフォラtrochophora) 真体腔類,端細胞幹(裂体腔動物)に属する軟体動物および環形動物を中心とする幼生で,消化管は口と肛門で外に開き,原体腔内には浸透圧の調節と老廃物の排出を行う原腎管をそなえ,体表の四つの繊毛管によって遊泳する。…
【幼生器官】より
…このほか大部分の幼生がそなえている繊毛や繊毛環なども変態時に失われる場合が多い。 しかし,なんといっても幼生器官として最も著しいものは,ひも形動物のピリディウム幼生および完全変態をする昆虫類の幼虫の外胚葉由来の諸器官であろう。系統的にも遠く隔たったこの2群の動物の幼生では,あるいは変態に際し(ひも形動物),あるいは発生の初期の幼虫諸器官の形成と並行して(昆虫),外胚葉が数ヵ所で幼虫の体内に陥入し,成虫盤(成虫原基)と呼ばれる構造をつくる。…
※「ピリディウム幼生」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」