《ファニー・ヒル》(読み)ふぁにーひる

世界大百科事典(旧版)内の《ファニー・ヒル》の言及

【好色文学】より

…一方,史伝的逸話集にブラントームの《艶婦伝》(死後出版。1666),自伝にカサノーバの《回想録》があるほか,18世紀には純粋の好色文学として,フランスにクレビヨン・フィスの《ソファー》(1745)その他の諸作,イギリスにクレランドの《ファニー・ヒル》(1748‐49)などが見られる。そして18世紀末にサド侯爵が現れて,禁忌の全的侵犯としてのエロティシズムの哲学を確立する。…

【ポルノグラフィー】より

…たしかに快楽主義が流行し,サドやカサノーバが性のユートピアを追い求めた。J.クレランドの《ファニー・ヒル》(1749),サドの《ジュスティーヌ》に対抗して書かれたレティフ・ド・ラ・ブルトンヌの《アンティ・ジュスティーヌ》(1798)などのポルノグラフィーの傑作がこの時代に書かれている。それにもかかわらず,ポルノグラフィーが社会的な問題となるのは19世紀になってからである。…

※「《ファニー・ヒル》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」