世界大百科事典(旧版)内のフェルナンデス,E.の言及
【ラテン・アメリカ映画】より
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[メキシコ映画]
1931年,革命後のメキシコの姿を記録するためにセルゲイ・M.エイゼンシテインを中心とするソビエト映画人グループが約1年間メキシコに滞在,《メキシコ万歳!》(未完)を撮影するが,その刺激のもとにメキシコ映画は出発したといわれる。しかし,ソビエト映画のモンタージュ技術や社会的テーマの影響から脱して,世界的水準に達する〈真のメキシコ映画〉が生まれるのは40年代になってからであり,とくにエミリオ・フェルナンデスEmilio Fernandez(1904‐86)監督,ガブリエル・フィゲロアGabriel Figueroa(1907‐ )撮影による一連の〈芸術性の高いメロドラマ〉,すなわちドロレス・デル・リオ主演の《野性の花》(1943),《マリア・カンデラリア》(1944),《運命の女》(1949),アメリカの小説家ジョン・スタインベックの原作・脚本による《真珠》(1948)などが,カンヌ映画祭など各地の国際映画祭で受賞して注目された。50年代のメキシコ映画は,1947年からメキシコに住みついたルイス・ブニュエルによって代表される。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」