フォンタンジ(読み)ふぉんたんじ

世界大百科事典(旧版)内のフォンタンジの言及

【被り物】より

…婦人はボンネットやフードをハット・ピンで髪にとめてかぶった。ルイ13世のフランスの宮廷には,フォンタンジュと呼ばれるレースやリネンを幾重にもギャザーをよせてとりつけた婦人用ボンネットが現れた。ルイ王朝時代は大きな造形的鬘の全盛時代で,大きな髪形を守るために幌のついたタフタの女性用帽子カラシュが考案された。…

【髪形】より

…自毛を剃ることも多く,家庭では剃髪にナイトキャップ(室内帽)をかぶっていた。女性は針金で山形にし,レースなどを張ったフォンタンジュという髪飾を用いた。またセビニェ夫人にちなんで名付けられた,両頰に編んだ髪を垂らし後頭部をふくらませた〈セビニェ風〉という髪形が好まれた。…

【服装】より

…女子服ではコルセットが復活し,上半身はほっそり整えられ,従来と同じくスカートは2枚重ねるが,ふくらみは腰当てによって後方へ集中される。身丈を高く見せるために,頭頂にレースの塔のようなフォンタンジュfontangeという髪飾を立てる風俗も1678年ころに登場する。 18世紀のロココ・モードは,貴婦人が主宰する当時のサロン文化に代表されるように,優美で繊細な女性的趣向を特色とし,貴族社会の枠内にとどまらず,経済力をつけはじめた市民階級にまで波及した。…

【帽子】より

…17世紀オランダの隆盛に続いてフランス宮廷がモードの中心地となると,大きな髪形と鬘への関心が高まるなかで,フェルトやビーバーの毛皮で作られ,ダチョウの羽根飾が付いたつばの広い帽子に人気が集まった。17世紀後半は洗練された男子服にトリコルヌtricorne(三角帽)が登場し,女子にはフォンタンジュfontangeと称するローンとレース製の髪飾が当時を代表した。18世紀はぜいたくをきわめた衣装とともに,最新流行のパリ製帽子が求められた。…

※「フォンタンジ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」